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8章:〜不思議倶楽部〜 (9/9)

『ま、大学なんてそんなもんさ。俺達だってマグレだった、な?山』

中川が山崎に振る。

『そうそう、奇跡的に卒業したがな』

と笑った。

『じゃ、中さんと山さん、同じ大学だったんですか?』

そう聞くと

『あぁ、松もそうだ。俺達ずっと一緒なんだよ』

と言った。

確か、松永は東大を出たと言ってたのだが。

『おはようございます!まぁ、皆さんもうお集まりだったんですねぇ!』

咲枝ママが、手提げ袋を二つ重たそうに下げてやって来た。早朝だと言うのに、しっかりメイクをし、髪もスッキリと結い上げてる。

『おはよう!朝早くから悪いねぇ!』

マスターがカウンターから声を掛けると、咲枝ママの後から、初めて見る年配の女性が、大きなバスケットをやっぱり二つ持ってやって来た。

その女性にの姿に、マスターがカウンターから出て来て近づくと、中川達と話していた松永も近づいた。

『驚いたなぁ!芳恵さんじゃない!』

そうマスターが言う。

『芳恵さん、もう大丈夫なんですか?』

と松永も言った。

高橋芳恵は松永同様、この不思議倶楽部の創設時からのメンバーで、今年に入って早々に手術をし、暫く顔を出して無かったとの殊。

『すっかりご無沙汰しちゃって、ごめんなさいね』

芳恵は気さくながら、とても品のある印象だった。

『まさか、芳恵さんが来てくれるとは思わなかったなぁ!』

マスターは大感激してる。

『この前私の店にご主人と来て下さったんで、今日の話しをしたら、是非協力させてって言って下さって』

と咲枝ママ。

『あ、そうそう、聡子さんと千鶴さんも、さっき迄一緒だったんだけど、お子さんを送り出さなくちゃいけないからって、皆さんにヨロシクって言ってたわ』

そう芳恵が言った。

この不思議倶楽部、まだまだ色んな人と知り合えそうだ。

『じゃ、みんな揃ったし珈琲をどうぞ』

マスターがカウンターに並べたカップに珈琲を注いだ。

『まぁ!マスターの珈琲なんて本当に久々だわ!』

そう言いながら、芳恵がカウンターの珈琲をみんなに配る。

この小さな喫茶店は只今大入り満員。年齢も立場も、新参者も古くからの人も、そんな壁は何にも無く、此処に居ればみんな友達。

勿論、出窓に居るジョニーとエミーも。

不思議倶楽部は不思議な程、あったかい倶楽部だった。
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不思議倶楽部 ©著者:Jude(ユダ)

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