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4章:〜謎の女〜 (7/7)

 だが、ちょうどスキーシーズンと言う事もあり、部屋の空きが無かった。三人は、もう一晩の予定を諦めて、帰ろうかどうしようか悩んでいた。

だが、その日はとても天気が良く、穏やかで、スキーを楽しむのにはとても適していた。三人は、どうせ明日は帰るのだから、と、今日一日を満喫する事にした。

フロントのあるエントランスのベンチに座って考えていたのだが、ふと、この旅館の露天風呂を外から観てみたくなった。

『何と無く、特に誰かが言い出した訳じゃないんですけど、取り敢えず外に出たんです。そして男湯の露天風呂のある、西側へ行ってみたんです。外側からみると、階段は結構な急勾配でした。


階段の降り口の脇は、人目に晒され無いからか、草が生い茂っていて、表側と違い、殆ど手を加えられて無い状態でした』


結局、その無法地帯の草村が邪魔をして、露天風呂の様子は覗けなかったのだが、最後の最後迄執着していたのは、真だった。真はどうにしても、一目でも良いからこの高台から【♂】の裸を観てみたかったのだ。

『真は前から、どうも♂に興味があって………そしたら、急に俺らにこっちに来てみろ、と』

和弥達は何事かと思い、真に喚ばれるがままそこに行くと、そこには一本の少し太い幹の木が生えていて、その木に何かが貼り着いている。しかし良く見ると、それは貼り着いて居るのでは無く、太い釘で留められていたのだ。

もうすっかり朽ちて腐り、その原形こそ留めて無かったが、三人はそれを見た途端に息を呑んだ。

【藁人形】

そして、その木の根元を見ると、雑草に隠れた、小さな小さな祠があった。

隆は反射的に持っていたインスタントカメラで、その木と、木に着いてる物と、その祠とを撮影した。

『でも、その写真だけ現像出来ないんです、聞いても何も写って無いと言われて』

その木と祠とあの女性に、関連性があるのか無いのかは、今の時点では判らなかったのだが、速記を終えた松永が言った。

『興味本位と言う事では無く、一度そこに行って、手を合わせたいな』

私も同じ気持ちだった。恐らく、今此処に居る誰しもが同じ気持ちである。

マスターが和弥に言った。

『何かが遭っても、無駄に怖がらず、ちゃんと手を合わせてあげるんだよ』

その隣では咲枝さんも、黙って深く頷いていた。
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不思議倶楽部 ©著者:Jude(ユダ)

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