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2章:〜サボテン教〜 (4/4)

結希は私を引っ張って、トイレの在るツイタテの影に連れて来た。

〔ちょっと、あんた正気なの?!何がジョニーにエミーよ!ただのサボテンに何やってんの?!〕

〔でも、何だか面白そうじゃない〕

私がそう言うと、結希は飛んでも無い発想をした。

〔あのね、宗教かも知れないんだよ!っつか、絶対宗教だよ!〕

〔宗教って何の宗教よ〕

〔サボテン教〕

〔……………〕

私が呆れてカウンターに戻ろうとしても、握った服を放さない。

〔待って!きっと今煎れてる紅茶や、出されるクッキーにだって絶対薬が入ってるって!ヤバいよ!〕

〔薬?〕

〔そう!洗脳薬!口にしたら、猫にマタタビ状態になるよきっと!ね、警察行こう!〕

やれやれ。

『お客さん、そろそろ紅茶入るよ〜クッキーも食べてねぇ』

マスターが相変わらずのテンションで声を掛けて来る。

〔紅茶入るって、席に戻ろう〕

私がそう言っても、結希はまだ服を放さない。

〔あんだけの人間なんだよ!紅茶とクッキーでヘロヘロにして、黒魔法に掛けるつもりなんだよきっと!やっぱり警察行かなくちゃダメだよ!〕

結希は真剣だ。

〔警察に行って何て言うの?〕
そう聞くと

〔勿論事実を打ち明けるのよ!告発するの!!〕

告発???

〔何て告発するのよ〕

〔だから、サボテン教の教祖に洗脳されて、黒魔法を掛けられそうになりました!って言うの!わかった?!〕

〔……………〕

私にはどう考えても、この♀の方が怪しく思えて来た。

『お客さ〜ん、お茶とクッキーどうぞ〜』

〔ほら!しつこく勧誘してる!〕

〔……………〕

『はぁ〜い、今行きま〜す』

〔ダメ!黒魔法!〕

〔結希!行くよ!〕

私はそう言うと、服を掴んだ結希の腕を持って、カウンターに引っ張った。

『今日のお茶にはシナモンがお勧め!良かったらどうぞ〜』

そう言って、シナモンの入った硝子の小皿をカウンターに置く。私がそれを紅茶に入れ様としたその瞬間、

〔りぃ!それマタタビ!〕


 結局、この日以降、結希がこの店を訪れる事は無かった。友情破壊に迄はならなかったが、この店を私が訪れる度に、一度病院で血液検査をする事を奨め、挙げ句心理テストに余念が無くなった。

友達と言うのは、有り難い限りである。

そう自分自身に言い聞かせる事にした。
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不思議倶楽部 ©著者:Jude(ユダ)

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