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1章:ピアノ弾いたのだぁれ?
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私は、今朝の事をチャコに話してみた。チャコは一言一言に頷きながら熱心に聞いた。
真希と結希の姉妹は、初めの内は怖がったが、段々慣れたのか、それとも信じてないのか、黙々と食べている。
『素晴らしい演奏でした』
そう言うと、チャコも
『凄い腕よね……私も聴いた時、本当にビックリしたもん』
真希は、少しだけ残すと、水を飲み干した。
『じゃ、今日がその人の命日って事なの?』
チャコが黙って頷く。
『チャコ先輩にもりぃにもそんな能力あったんだ……』
結希が私をまざまざと見る。
『能力って、私の場合はそんなにエラソーな物じゃないけどね』
そう私が言うと、チャコが言った。
『りぃちゃん、もしかしたら、りぃちゃんも小さい時から?』
『そうですね……気づいたら、こんな感じでした』
『体質なんだよね、こう言う事って』
体質?チャコにそう言われ翼々考えてみると、確かに母も時々おかしな事を言うし、祖母も生前おかしな事を言っていた。
『体質ですか……?』
『うん、こう言う事って遺伝するらしいのよ。うちは、兄もそうだし祖父もそうなのよね』
私と同じ様な事だったのには少々驚いた。
『ね、遺伝って事はだよ、りぃんちの誰かもそうなの?』
結希がそう聞くので
『うん、母と祖母ちゃん……』
と答えた。
『ね、りぃちゃん、あなたも不思議倶楽部に入らない?』
『え?不思議倶楽部?』
私が聞き返すと、チャコが不思議倶楽部について話し始めた。
このキャンパスの近くに、名前の無い喫茶店がある事。
毎週土曜日になると同志が集まって、体験談を語り合う事。
時々、旅行がてら、現地に行ったりする事。
メンバーは学生だけでは無く、社会人や高齢者も居る事等。
『こうした体質だとね、他の人とちょっと違った世界観になっちゃうでしょ?だから、みんななかなか話す機会が無いのよ。でも、解り合える者同士、語ったり、行動したりしようって集まりなの』
不思議倶楽部か……
楽しいかも知れない!
『チャコ先輩、私も入りたいです、その不思議倶楽部!』
すると隣の結希と、斜め前の真希も興味を持ったらしく、真希が
『ね、能力無いと無理?』
と聞いた。
するとチャコは
『受け入れる気持ちがあれば誰でも大丈夫よ』
そう言ったが、
『でも、その前に私達就職考えなきゃ』と。
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