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1章:ピアノ弾いたのだぁれ? (2/6)

 マグレで入った某音大。とにかくマグレなのだから、せめて授業に着いて行く事にだけは専念しなくちゃ!

私は生れつき手が小さいから、本当はピアノに向いてない。
そんな事は百も承知で受けたら、何故か受かっちゃった。

通い学生。家からこのキャンパス迄片道約2時間半。一人暮らしを申し入れたが、両親はアッサリ却下。確かに、ピアノを持ち込めるマンションなんてそうそう無いし、在ったとしても弾くわけにもいかない。

仮に防音システムの有るマンションが見つかっても、家賃を考えたら一体幾らになる事やら。

と言う事で、通い学生。


勿論、他の学友達も、似たり寄ったりの家庭環境だし、私一人が苦労してるわけではなかったのだが。

教授のレッスンを受ける時には、やはりレッスン前の指馴らしは不可欠。朝は1番列車での登校なので、前日の夜迄しかピアノを触ってない。このままの状態でいきなりレッスンに入りたくない。

そんな学生達の為に、キャンパスの墨に練習室が設けられていた。その校舎の1階と2階には、沢山の小さな部屋が並び、中にはピアノが一台ずつ置いてある。1階の部屋にはグランドピアノが置いてあったのだが、私達下級生は、2階のアップライトの部屋を使っていた。

まだ、入学したばかりの頃。キャンパス内の地図も頭に入って無かったのだが、学友三人と一緒にその練習室のある北棟に行った。一通りの指馴らしをし、1時間位で終わらせ、レッスンルームにやって来たのだが、テキストが一冊見当たらない。

『あ、置いてきちゃったみたい』

鞄の中をを何度も探したが、やはり見当たらない。

『さっきの練習室?』

結希にそう聞かれて頷く。

『あんた、場所分かる?何なら私付き合おうか?』

彼女には二つ年上の姉が居て、その姉、真希もここの学生だった。だから、このキャンパスには割と詳しい。

しかし、結希の方が早くレッスンに入るので、付き合わせる訳にもいかなかった。

『大丈夫、一人で行ってくる』

そう言うと、私はまたあの練習室の並ぶ北棟にむかった。

北棟はもう古い建物に手を加えただけの簡素な建物で、一見すると、古い診療所。その入り口には記載台があり、利用者は自分の学部と学年、名前、使用する部屋の番号と入退室の時間を記載するのだが、忘れ物を取りに来ただけなので、記載せずに通り過ぎた。
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不思議倶楽部 ©著者:Jude(ユダ)

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