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2章:〜源氏蛍の里〜 (6/6)

すると、その5人はそれぞれ一人ずつ、晃久の愛車の横に、何やらポーズを取って、写真に収まっていた。

『ちょっとエンジン切りゃいいんに、いつもこうだ』

店主がため息混じりに言う。

今度は、シャッターを交代しながら、4人ずつで撮り始めた。その様子を見ていた晃久は徐に立ち上がると、その5人に近づいた。

『みんなで写るかい?シャッター押すよ』

すると今迄渋い顔をして写真に収まってた彼等は急に笑顔になって、カメラを手にしていたモジャモジャ頭が晃久にカメラを手渡した。

『ありがとうこざいます!』

5人は、車の両サイドに二人ずつ、フロントに一人、それぞれにキメポーズを取って眉間にシワを寄せる。

『じゃ、写すよ〜はい……』

チーズ、と言いたい所だったが、どうもそんな雰囲気ではない。

シャッターを二度押して終了。

『ありがとうございました』

みんな口々お礼を言う。

『君達これから何処に行くの?』

晃久がカメラを渡しながら聞くと

『自分達これから粂田に行きます』

もうすぐ6時になる。

『今から行ったんじゃ、暗くなるよ』

そう言ってみた。

『これからの時間じゃないと意味ないんすよ』

そうモジャモジャがいうと、ヒサシ頭が

『あそこ出るんす』

と言った。

『出る?』

『あそこのトンネルも有名だけど、粂田にもいっぱい居るんすよ』

やれやれ、とんでもない事になってる。

『途中に小さい石碑が在って、それも……』

つまりは、肝試しと言う事なのか。こんな煩い車で行かれては、出るモノも何処かに逃げて行く。

しかし、それ迄は静かな暮らしを営んでいただろうに、無くなるとなると一気こうなる。皮肉なものだ。

まぁ、かく言う自分も、その一人ではあるが。

いつの間にか、山は夕映えになっていた。5人がそれぞれのマシンで去ると、晃久は車からカメラを取り出し、その綺麗な夕映えを収めた。

緩やかで穏やかなこの大自然が、ずっとずっと変わらない事を祈りながら。

『お茶冷めるから』

マサコにそう促され、晃久は店に戻った。

『まだ時間が早かんべ』

店主にそう言われて時計を見る。

『どの辺が良いですかね』

すると店主は立ち上がった。晃久も着いて行った。

『もこう(向こう)のあの電柱の先んとこだな』

そう指を差した。

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右側の集落 ©著者:Jude(ユダ)

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