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8章:二番会
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東京駅についたら、村上とは別行動になる。
お土産を渡しに鶴亀に寄った。
「お、仙道じゃん。大阪に行ったんだあ。いいなあ。食い道楽の街」
私「良かったよ〜。」
野中「あ、仙道。」
私「野中、久しぶり」
野中「あ〜久しぶり。」
調理場のあの子もチラッと顔を出したけど、すぐ引っ込んだ。
私「ん?なんだ?
」
「あ〜、気にしなくて良いよ。ヤキモチだから。」
私「ヤキモチ
」
「野中の事好きなんだよ(笑)飲み会の時、やたらべったりしてたし」
私「へえ
野中、モテんだ〜。あの子なんて名前だっけ」
「木島梓だよ。仙道ちゃんと同い年だよね〜」
私「お似合いじゃん、野中。野中無愛想だけど、ああいう女の子らしい子が隣いたら緩和される。」
野中「余計なお世話だ。大阪、行ったんだ?」
私「出張ね、勉強会の。」
野中「ふーん。うまくいってんの?」
私「普通〜。野中は?」
野中「微妙…」
私「可愛いじゃん。木島梓」
野中「そうか?ただのチビ…」
私「可愛いよ。」
野中「俺はまだ…」
私「…何よ」
野中「まだなんも変わってないから。」
私「そっか。」
野中「帰るのか?」
私「帰るよ。送ろうか?」
野中「あ、うん…。どこに停めてんの」
私「裏」
野中「じゃあ裏にいて。」
30分くらいして、足早に野中がきた。
野中「悪いけど、早く出して
」
私「木島梓?」
野中「いいから。」
言われたまま、すぐ出した。
野中「凄い車乗ってんね。」
私「会社の車だよ。秘書兼運転手だから。」
野中「あとは愛人でしょ」
バックミラーで野中を見る。
野中「図星か。いつまで続けんの?日陰の生活。」
私「関係ないでしょ
今が幸せならいいよ。捨てられたら捨てられた、だから。今はとにかく幸せ。自分だけの時間も、一緒にいる時間も。」
野中「勘違いしてるだけ。気づいた時には廃人になるよ…。そんなお前、見たくないから。」
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三十路 ©著者:愛希
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