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5章:冒険
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待ち合わせは夕方18時
銀座で。
懐かしい…。
この街で働いてたんだ。
おかげで村上さんと出会えたんだなあ〜
上村さんに感謝しなきゃ。
かなり早くついたから
喫茶店で時間潰した。
待ち合わせ場所が見える喫茶店でソイラテを飲む。
実はあまり珈琲が得意ではなかったりする。
携帯小説を見ていたら
足早に目の前を人がスッと通った。
ん?
あ…、村上さん
探し物をしているようだった。
しばし見つめた。
待ち合わせ時間にはまだ時間が10分あった。
軽く手を振るとすぐ気づいてくれて慌てた顔から穏やかな顔になった。
片付けて外に出た。
村上「随分早かったですね」
私「暇だったんで。」
村上「またちょっと、雰囲気が違いますね。」
私「和装と洋装ですからね。」
村上「ドレスも良かったですけどね。」
ふふふ
抜かりないね…
ちょっと歩いたところに古びた店があった。
老舗という感じ。
村上「祖父の代から来ているんですけど、久しぶりだからな。」
私「そんな古い付き合いなんですか」
村上「はい
」
「いらっしゃいませ〜」
品のいい、女将らしき人が出てきた。
紺の着物に渋めのシルバーの帯にカラシ色の帯あげ。
歪なべっこう飴のような帯止めがとても遊び心があり、衣装ではなく自前なんだな、と思わせた。
私「素敵な帯止めですね」
思わず感想が漏れた。
「あら…。お着物お召しになるね?」
私「お召しに、とは言えません。仕事で決まったのを着させられているだけで作り帯ですし…」
「好きなんですね〜」
上品な笑顔の大人が2人
私はまだまだ小娘だ、と思い知らされたようで恥ずかしくなる。
私「知識も何もないんですけどね。」
精一杯の返しだ。
村上「仙道さんの着物姿、素敵ですよ」
私「アハハ…」
「でしょうね(^-^)」
嫌みはないのに、場違いな感じがする。
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三十路 ©著者:愛希
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