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5章:冒険
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ゆみ「あまりにもジッと見るから日本人じゃないと思った〜」
店主「そやね。こちらさん、日本人離れしてはる。目鼻立ちスーッとな〜」
私「純国産です…」
先客「背も高いし。2人お似合い」
ゆみはほっぺを膨らましていた。
多分自分以外が中心になるのが嫌なタイプなんだろう。
ゆみは私から見て40代後半…いや50代かなといった感じ。
ゆみをチラッと見ると、膨れっ面は直っていてブリッコキャラには似合わないような、一気飲みをしていた。
口の端からスーッと滴る水分を村上さん見ながら、指で受け止め口に運んだ。
う″わ″っ
誘ってやがる…
勿論村上は目を見開いた。
店主「いらっしゃ〜い。あ、すんません。今満席で…」
村上さんは耳元で「出ましょう」と言い私は力強く頷き、店主に「良いですよ、お会計で」と爽やかな笑顔で言った。
ゆみ「帰るの〜?」
村上「あ、はい。待ってる方がいらっしゃるんで…スイマセン…」
なぜ謝る。
ゆみ「寂しいなあ〜」
必殺
ギョロ目で上目遣い
村上さん、華麗にスルー
お見事〜
村上「ご馳走様でした。」
店主「懲りずにまた来てなあ〜」
私の手をひき、足早に店を出た瞬間私は爆笑した。
村上「凄かったですね
」
私「狙われてましたね
」
村上「僕、ゲテモノに好かれるのかも…。」
私「え!?」
村上「ちょっと飲み直しませんか?今のところよりは納得出来るはずです。」
今のところよりは
意味深…
ちょっと歩いた。
手を繋いだまま。
夜の町を村上と手を繋いで歩けるなんて…
っていうか私もゲテモノか?
村上「どうかしましたか?」
私「え
いや、なんでも。」
小さなビルのエレベーターに乗り込んだ。
正真正銘、2人きり。
心臓の音、聞こえてないかな。
それこそ口から心臓出そうな勢いだった。
俯いてはいたけど、チラッと村上の視線を一瞬感じたりもした。
ちょっと揺れるエレベーター
揺れてるように感じただけかなあ〜
ドキドキし過ぎて。
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三十路 ©著者:愛希
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