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5章:冒険
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店主「何、あんま飲めへんの
ほな薄くしといたるわ」
ポツリポツリ、ふらっと人が入ってくる。
「今日凄い人多いねえ。何年かぶりにナンパされちゃったよ〜。」
店主「いらっしゃい、ゆみちゃん」
喋りながら店に入って、勝手にボトルを出すと店主が炭酸の瓶の蓋をあけた。
店主「ナンパって、また外国人か
」
ゆみ「やだあ〜、なんでわかったの〜。外国人にはモテんのよねえ
」
店主「外国人にしか、やろ♪」
ゆみは村上さんにチラッと女視線を送ると、グラスに口をつけていた村上さんがビクッとなった。
びっくり顔のまんま、ゆみに釘付けだ。
多分飲みながら、「ゲテモノ」を見るような目で見ていたんだと思う。
お世辞にも「またナンパされる容姿」ではないし、失礼な話「日本人女性が全てこういう感じ」とは見てほしくないタイプだった。
私「村上さん?」
村上「へ?あ、すいません」
店主「いやあ、しかし花やわあ。」(私をしっかり見ながら)
先客もクスクス笑う。
先客「ゆみちゃん、今日もぶっ飛んでんねえ
」
ゆみ「liveがあって〜、taxi捕まらなかったからここまで歩いてきたのぉ。」
視線は先客や店主に向いてはいるけど明らかに
村上さんに向けて発した言葉だった。
弱めのブラックライトで薄暗くてかろうじて男女区別出来るくらいの明かりだから、いくら誉めてもらっても苦笑いだ。
ゆみ「今日のliveも本当に良くてねぇ
」
彼女は語尾が上がる。
一昔前の話し方っぽく。
先客「本当、若いよな」
ゆみ「もぉ
若いの
」
小さくて華奢で大きな目(ギョロ目)でデコルテと脚はギリギリまで露出していた。
肌寒くなる季節に。
ゆみはようやく私にも微笑みかけた。
ゆみ「はじめまして〜。観光?」
私「へ?」
村上「ブッ
」
堪えきれず笑う村上
店主「日本人やで」
ゆみ「やだあ〜
」
実際に舌を出して「テヘ」をやる人初めて見た。
私も彼女から目が離せない。
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三十路 ©著者:愛希
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