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1章:さよなら (11/11)





彼はあれから引っ越すまでにたまに見かけたけど、私は視界に入れなかった。


私は予定通り、上村に紹介された物件の中から1LDKで8万のオートロックのマンションに引っ越した。

前の部屋より、紗英んちに近くなって笑った。




紗英とはさほど大きな喧嘩は今までにない。
お互い、次の日になればケロッとしてた。


あ〜昨日ごめーん。あのさ〜、みたいになる。
モヤモヤもしない。

仲良くなり過ぎるのが最初は怖かった。
紗英も同じような事言ってて、なおさら打ち解けた。


高校時代は、レズと言われていた。
毎日近くにいたから。
だけど、孤立する事なかったのは紗英のおかげだ。

どのグループともうまくやれた。
今でも同窓会なんかやる。


紗英の高校デビューは、完璧だった。






私「旅行いつにする?」



別れてから1ヶ月
新居にもなれた頃だった。



紗英「連休にぶちあてたいんだよねえ」

私「私もその方が助かるけど、高いよねいいけど。紗英様の為なら」



紗英「当たり前〜。現地のご飯くらいはご馳走しますよ〜」


私「助かる〜」



旅行は次の月の月末の連休になった。



気分転換にも良いはず。





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三十路 ©著者:愛希

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