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10章:キバ
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絶望、てのは
知らず知らずの間に
音も無く忍びよる、とか
なにかの小説で読んだけど
ほんとに
その表現は当てはまるんだ、って
思った、、。
不安な事だらけなのに
一緒にいられる生活を
結花もあたしも気に入ってた
病院まで、あと1週間。
毎日母親に貰うお金も
必要になるかも知れないと、手を付けずに貯めた。
その日
ラーメンが食べたいねって話で
小銭だけを持って
夜10時頃
2人でコンビニへ向かってさ、
店内で選びながら
ふと、ガラスから見える
一台の車に目をやった。
とくに、何にも考えず。
止めてもいちゃついて
中々車から出ないカップル
、、、え?
二度見の要領で
目を凝らして見た。
あたしは一瞬凍りつく。
いちゃついていたのは
、、、母親、、だった、、。
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