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9章:〜検証〜 (2/9)

 りぃは今、TVに釘付けになっていた。

朝の報道番組が、あの《幽真会》に警察のメスが入った事を告げていたのだ。

そして、詐欺として起訴された7名の中には、当然の様にしてあの巨漢も名を連ねていた。ミグと薫が巨漢をノシてから僅か十日しか経ってなかった。

結局あの夜について、巨漢は何故か被害届を出さなかった。

りぃも純も、そしてミグ本人も、逆に不審に感じていたのだが、何故か不問になっていたのだ。

こう言う事だったのか………

りぃは画面を見つめながら一人納得した。もう、団体そのものがギリギリの状態で、警察に届ける事は自殺行為だったのだ。

本拠地は北陸で、確かに信徒達の生活ベースは備わっていたが、決して大きな団体では無く、教祖らしき人間も居ない。

巨漢以下7名の、幹部と称する輩と、約20名程の信徒だけで構成されていたが、その資産は数億にも膨らんでいた。

詐欺の手口は殆ど同じ。電話帳から適当にピックアップした家に、あたかも大きな宗教団体であるかの様なパンフレットを送り付ける。

当団体では、お金の請求は一切しておりません。

TVに写し出されたパンフレットの表紙には、そんなフレーズ迄ある。

薄いベニヤ板で造られた様な祭壇が、10万円。

ご本尊の魂と称するワケの解らない木べらが5万円。

教典やら数珠やら全てを揃えれば、20万以上の金額になるらしい。

挙げ句、その祭壇の周囲に置く装飾品迄揃えるとなったら、幾らになるか判らない、とリポーターが説明していた。

だが、その話題も僅か10分程で、すぐに違う話題へと流れてしまった。前述の通りこの頃は、こうした霊感商売が横行し過ぎていた時代だった。

余談だが、信仰に基づき、様々な細かい政党が生まれたのも、ちょうどこの辺りの時代だった。

りぃはただぼんやりとTVを点けたまま、珈琲を飲んでいた。本来ならば、ミグや純に連絡を取るべきかも知れないが、今更どう騒いでも仕方ない。

だからと言って、今沢田家に電話は出来ない。あれだけ熱心に信仰していたのだから、恐らく今は、心の置き場を失ってるだろう。

薫は?

ふとそう思ったが、薫にとっては望ましい結果になったのだし、きっとまた、ミグや純から情報がある筈だ。

そう自分に言って聞かせ、りぃはレッスンの準備を始めた。
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君の星 ©著者:Jude(ユダ)

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