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8章:〜迷探偵ミグ〜
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すると、鞄を弄っていた巨漢の動きが止まり、ミグを見る。
しかしミグは相変わらず、次の菓子を口に入れながら
『おかしいですよねぇ。改められ無いなんて。仮にっすよ、それ爆弾だったらどうするんです?』
すると雄一が
『君はふざけてるのか!あれは列挙とした金だ!』
そう言ったのだ。ミグはニヤッと嶺禅に笑い掛ける。
『ね、嶺禅さん、それ金だそうですよ?さっきあなた言ってませんでしたっけ?慈善事業って。
慈善事業って随分高額みたいじゃないですか?』
ミグがそう言う横で、薫がまだテーブルの上に有ったその風呂敷包みを掴んだ。雄一は焦った。
『薫、お前何をするんだ!それに、君も少し言葉が過ぎるぞ!』
しかし、薫はそれを無視して包みを開け始める。雄一が立ち上がって薫からそれを奪い取ろうとしたが、ミクが゙雄一を抑え付けた。
『離しなさい!大体君は部外者だろう!』
しかし、ミグの力は俄然強く、ミグは雄一の体を簡単に抑え込むと薫に言った。
『薫〜、幾ら有った?』
『今数える』
そう答える薫の手元に光子が手を出してそれを取り上げ様としたが、薫はアッサリ振り払った。
光子はよろけて転びそうになり、慌ててソファーの背もたれを掴む。
『こら!離さないか!』
そう雄一が必死で身を捻っても、ミグは涼しい顔をしてる。
『ミグ、札束は全部本物で五つ、バラが30だ』
呆れた物だ!
すると巨漢が立ち上がり
『いや、私は金だとは知らなくて、改めもせんで納め様として悪かった。
薫君との話しはまた次の機会にしよう。今夜はこれで失礼するよ』
そう鞄を手にしたその時、とうとうミグがキレた。
『んざけんじゃねーよ!このペテン野郎が!』
そう言って目一杯、巨漢の頬に拳を叩き付けた。その弾みで、巨漢はソファーに倒れ込み、そのまま動かなくなった。
その怒りは、その巨漢に対してだけでなく、姉を廃人に迄追い詰めた、全ての偽宗教団体への怒りだったのだ。
『み、光子、救急車、それに警察だ!君のした行為は犯罪だぞ!』
雄一がそう言うと、薫もその巨漢を目一杯蹴り上げた。
『父さん、俺も犯罪だよね?公務員の息子が犯罪者?』
すると雄一は
『母さん、警察はいい、取り敢えず救急車だ』
『父さん、この状況で救急車呼べば、警察も来るよ』
薫はそう冷やかに言った。
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