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103章:【56】
扉の閉まる音が聞こえた瞬間、涙が溢れ出てきた。
「流星…。ヒック、ヒック…。」
私は、寝たふりをしていた。
最後の瞬間まで、演技が出来る自身がなかったから…。
なんとなく、1週間前から気づいていた。
流星が、1週間休みをとるなんてあり得ない。
そんな休憩をして、また頑張れるタイプではない。
この何年間何があったって、走り続けてきた人だ。
走るのを辞めたら、多分一生走れなくなる。
そんな彼が休みなんて…。
ホストを辞めたんだろう。
ホストを辞めるって事は、何かがあったのは一目瞭然だ。
何か嫌な予感がした。
あえて何も聞かなかった。
いや、聞けなかった。
私は、肝心なとこで弱いから…。
ならば、この1週間、今まで出来なかった事をして、めいいっぱい一緒にいる事にしたんだ。
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