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98章:【55】 (1/10)

98章:【55】

今日は、流星と久々にあゆみさんのおばあちゃんに会いに行く事にしていた。

流星に会えるのと、おばあちゃんに会えるのとで、嬉しさが2倍だった私はいつになくテンションが上がった。

どんなに時間がたっても、流星と待ち合わせして会えるまでは、ドキドキする。

時間通りに来る流星。
時間よりちょっと早めに来てしまう私。
それを分かってるのか、今日は時間より早く集合する私達。

「お前、いつも約束時間より早くいるから、それに合わせちゃったじゃん。」

笑いながら、自然と手を繋ぎタクシー乗り場に向かう。

「流星も学習するんじゃん!
ふふふ。いい心構えよー!」

「偉そうにー。ははは。
ってかさ、ばあちゃんに会うの1年ちょいぶりだな。
田舎に帰るみたいな気分だわー。」

「そうだよねー。
毎回連絡しないで行っちゃってるけど、良く考えたらかなり強引だよねー。ふふふ。」

タクシーに乗り込み、もう完全に覚えた道を行く。

今日は、おばあちゃんにプレゼントを持ってきていた。
流星も私も、おばあちゃんという存在がいない環境で生きてきたので、何がいいのか分からず2人で頭ひねって考えたもの。

食べ物?
いやいや、おばあちゃんの料理に勝てる物はない。

洋服?
いやいや、趣味もある。

お鍋?調理器具?
いやいや、使い慣れてるほうがいい。

2人で口を揃えて言ったのが、【お花!!】

おばあちゃんの庭には、色々な優しい色のお花が植えてあったのを思い出した。
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ただ…ただ普通を手にしたかった ©著者:なぁ

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