【黒田マンション301】

メモした紙を見つめる。




あゆみが、移籍する前日に私の所に来た。

「移籍するのに、ひとつ条件があります。」

媚びない目で座っている私を見下ろすあゆみ。

「移籍するか、しないかは君の自由だ。
条件を出す立場なのかな？」

あゆみもソファーに座る。

「私がこの店に来るのも、神道さんにとってもいい話ですよね？

この街で、あゆみ、カンナが同じお店で働くなんて、話題性抜群だし。

それに、そこらへんのキャスト何人分もの私の売上もプラスし店の利益になる。

私は、勝っても負けても、この勝負が終わったらお店を辞めます。
とゆうか、もう夜の世界から足を洗います。

だから、私のお客全部このお店に置いていきます。
カンナや、他のキャストが受け継げばいい。
もちろん、他のお店に流れないように、お客に手回しはこの１ヶ月でしておきます。

私が移籍して、マイナスになることはないですよね？

神道店長？」