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11章:【7】
突っ走り続けて少し疲れを感じるが、怖いものなんて、何もない。
麗奈に勝利する自分がイメージ出来てさえいた。
指名で来たお客様のもとへ今日も行く。
笑顔で隣に座ると、お客の顔がさえない。
「どうしたの?なんかあった?」
聞く私をチラ見し、すぐ目線をそらされた。
「………つい。」
「えっ?」
「ちょっと、キツイんだ…お金…
カンナちゃん、今日はハウスボトルを飲んでもいいかな…。
あっ、カンナちゃんは、一杯グラスでもちろんいいから!」
はい?
単純に計算して、1時間15000円のセット料金にワンドリンク一杯1500円。
合計16500円プラスTAX。
笑顔が消える私。
この半月で週2回はきて、毎回30万は使っていっていた。
もっと使える客だと思ってた。
バカらしい。
もういらない。
「貯金で来てたんだ…」
理由とか、聞いてないから。
使えるか使えないかの2択しかない。
私は最高の笑顔をして彼に言う。
「ありがとうございましたー」
そして私は、席をたった。
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