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11章:【7】 (1/7)

11章:【7】

突っ走り続けて少し疲れを感じるが、怖いものなんて、何もない。
麗奈に勝利する自分がイメージ出来てさえいた。


指名で来たお客様のもとへ今日も行く。

笑顔で隣に座ると、お客の顔がさえない。

「どうしたの?なんかあった?」

聞く私をチラ見し、すぐ目線をそらされた。

「………つい。」

「えっ?」

「ちょっと、キツイんだ…お金…
カンナちゃん、今日はハウスボトルを飲んでもいいかな…。

あっ、カンナちゃんは、一杯グラスでもちろんいいから!」

はい?
単純に計算して、1時間15000円のセット料金にワンドリンク一杯1500円。
合計16500円プラスTAX。

笑顔が消える私。

この半月で週2回はきて、毎回30万は使っていっていた。

もっと使える客だと思ってた。

バカらしい。
もういらない。

「貯金で来てたんだ…」

理由とか、聞いてないから。
使えるか使えないかの2択しかない。

私は最高の笑顔をして彼に言う。

「ありがとうございましたー」

そして私は、席をたった。






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ただ…ただ普通を手にしたかった ©著者:なぁ

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