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6章:【4】
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余ったお金を握りしめ、近くのモールに行く。
私は、まず1つ目に決めた事があった。
どこに行く時も、12センチピンヒールを履いて行くということ。
ウインドウに映る自分を見る。
いつもより背筋の伸びた、少しはこの街に似合いそうな女になった気がする。
自己満かもしれないが、ヒールが自分のプライドの高さになる気がした。
今までも、男には不自由しなかった。
ただ、神道と話して気づいたことがある。
容姿はいいが安い女。
手に入りやすい。
これが私だったんだ。
そりゃ男に不自由しないはずだわ。
これじゃあ、高級店で私にお金を出す人なんていない。
本当にいい女には、多分一線ひいて世間は簡単に声をかけてこれないだろう。
夜の世界では、普通じゃ手に入らないいい女がお金で手に入れられる。
私の、売り方は決まった。
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ただ…ただ普通を手にしたかった ©著者:なぁ
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