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8章:伸びていく、ジャージャー麺。
「で、言ったのよ。『普通の子ってのがちょっと良く分かんないですけど、やっぱり親が借金抱えててとか、バンドやってる男に貢ぐためとか、ベタだけど芸能界へのステップと思ってとか、昔っからあんまり変わんないですよ』って。そしたら『いやあ、今はそんな時代じゃないんですよ』って!」
「ハイ! ジャージャー麺!」
おー、きたきた!
「こっちは現役のスカウトだっつーの! 何でお前に否定されなきゃいけねえんだよ! いや分かるよ? 一見、普通に見える子でしょ? でもそれ、掘っていくと『高学歴のお嬢様なんだけどAVに出ちゃう、他人とは違うワタシ』『AVに偏見を持たないワタシ』みたいな変な自己顕示欲あふれちゃってたり、『友達が出てるから、私も気軽な気持ちで…』みたいに自我が弱すぎたり…。全然普通じゃねえし、もうね、いるから! 昔っから一定の割合でいるから!! そう思わない!?」
「え! あ! おぅ…!」
ジャージャー麺をかき混ぜる手を、俺は止めざるを得なかった。早く混ぜないと、肉味噌が冷えてダマになってしまう…。
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