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18章:〜大学生の彼〜 (1/5)

18章:〜大学生の彼〜

私はNがいなくなった高校生活を
二学期、三学期と淡々と過ごした
進んで新しい友達を見つける
そんな気持ちにはなれなかった

秋になる頃、Nに渡せなかった
手紙を書き直し郵便で送った
返事は来ないだろうと
ただNが元気でいてくれたらと
また会える事も願っていた

秋も深まり冬が近くなると
私は中学時代の彼と一度行った
漫画喫茶を思い出した

ある日の日曜日
私は午後から何もする事がなく
漫画喫茶に入ってみた

一人で漫画喫茶に入ったのは
これが初めてで下を向いたまま
受付を済ませた

すると受付の男性は
中学時代の彼の兄だった

似てる子だと思ったけど
やっぱりそうだった
と驚いたようで喜んでくれた

小声で二人は再会を喜び
今年から漫画喫茶でアルバイトを
始めた事を手短に話してくれた

平日は夕方から深夜まで
週末は午後から夜まで
ここでバイトをしているのだ

私は個室を3時間と言ったが
5時間におまけしてくれた

個室に入るとお静かにの
注意書と共にバイト募集の
ポスターも見つけた

高校生は夜22時までしか
働く事ができなかった
他のバイトの経験がなかった私は
時給が高いか低いかは
それほど気にはしなかった

漫画やコミックが好きだった私は
ポスターを見るや否や
個室を出て、受付にいた彼に
私もここで学校の帰りに
バイトをしたいと申し出た

彼は驚いた様子で笑ってくれて
店長が来たらすぐ言っておくよ
と小声で言ってくれた

午後3時に店長が来るからと
聞いたので漫画を読みながら
個室を出たり入ったりして待った

午後2時半くらいになると
受付には彼の他にもう一人
ワイシャツ姿の男性が来ていた
少し子太りだったが愛嬌のある
笑顔で感じの良さそうな人だった

彼は私に気づき手招きしてくれて
こちら店長さんだから
今バイトの話したばかり
と言ってくれた

ネームにはオーナーと称されて
フルネームが書いてあった

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徒然なる姫日記 ©著者:イブ

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