昼下がりの午後の公園。

犬を連れて散歩する１人の女性。

池の周りをもう何分もぶつぶつと何かを呟きながら、歩いていた。

「いいな京子は早々と銀行に就職が決まってさ、私なんかまだ就活中だってのにね」

「わかってるよ。私だって一生懸命やってるんだよ。そりゃ今までは親の轢いたレールの上を各駅停車の電車の如く走ってきたけどさ、さすがに人生を左右するかも知れない就職先くらいはさ、自分で決めさせて欲しいよ」


遡り昨日の夜…

「おい、真知子！就職先はもうきめたのか？」

パパまたその話し？

「またとはなんだ！またとは！友達の京子ちゃんは銀行に就職する事に決まったんだろ？なのに、お前ときたら…」