部屋１Ｒ、そして簡素な部屋、あるものは本棚とタンスとパソコン、あとはテレビと冷蔵庫に洗濯機。ベットはなく、ちょっと茶色い布団がしきっぱなしであるだけ。
けして貧乏ではないし、むしろ金持ちの部類になるだろう。学生時代は、いじめにはあったが、死ぬほどのつらい思いした記憶がない。弁護士、システムエンジニア、某有名ブランドの店長など、転々と職業が変わったが、けして不幸な人生ではなかったと思う。
ただ、一人だ。
携帯のスマホの中身は、数人の友人と取引先と会社関係だけ。
ＬＩＮＥだって仕事でしか反応がしない。

孤独だ。

伴侶がいなければ一緒に墓に入ってくれる人もいない。

失敗した。

仕事ばかりで女性とかかわることをせず、仕事とお金ばかりで最後のこの瞬間後悔をするとは思っていなかった。

次の人生があれば俺は、もてる職業になりたい！

「次の人生があるなら･･･ホストになってみるかな。」

あるわけないか、と独り言。

それが彼、輪島ゆうきの最後の言葉だった。