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3章:ジレンマ
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トイレから出て、フラフラ自分の卓に戻っていた。
戻る途中宇宙がついている卓を横切らなければならない。
それが嫌で嫌で下を向いて見ないようにして通りすぎた。
自分の卓に戻ると見知らぬ男の子が絢乃と話していた。
「誰ー??このイケメンー??てか、私座るとこないんだけどー」
って声をかけると、彼が席をあけてくれて、私の隣に座った。
「最近入ったばかりの子なんだってー。名前は…なんだっけ??」
絢乃が言いながら笑う。
「僕、翔って言います」
彼が自分で自己紹介。
「へー、翔君かぁ。翔君、私ともっと早く会えばよかったねー」
私は翔君にそう言って微笑む。
「え。どうしてですか??」
「もっと早く会ってたら私、翔君指名してたもーん。めっちゃイケメン!!」
私の発言に絢乃も
「莉沙。それ私も今言ったし」
なんて言って笑っていた。
そんな時、宇宙が私たちの卓に来て、翔に耳打ちすると翔は席を立った。
「えー。翔君もう行っちゃったー……」
絢乃も私もせっかくテンションが上がってたのに、一気に下がった。
半分ぐらい入っていたグラスを飲み干した。
「もー莉沙ちゃん、飲み過ぎだよ」
宇宙が私たちの卓にそのままついてくれて、私のお酒を作った。
「ここはー、お酒を飲む場所なのでー、飲むしかありませーん」
作ってもらったお酒を、ゴクゴク飲む私。
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涙の色 ©著者:莉沙
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