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2章:マリエ
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2章:マリエ
『お疲れ様でした-♪』
着替える他の女の子の顔も見ずに、
早足で店を出る。
店を出て、湿気混じりの風をうけながら繁華街をたむろするタクシーの一つを捕まえて乗り込んだ。
『○○駅まで』
無愛想な運転手に行き先を告げる。
早く会いたい
心の中で呟きながら、鏡を見て化粧と髪を軽く直し、バックから携帯を取り出す。
ストラップも何もつけてないピンクの携帯電話をひらいて
毎日鳴らす番号に電話をかける。
電話を鳴らすと
カノンのメロディーコールが流れた
雑音交じりのヴァイオリンが響く
『…もしもし?』
ちょっとハスキーな
でも優しい声
私の大好きな
マホの声。
『もしもし…今終わったから行くね♪』
仕事終わりなのにマホの声を聞くと
思わずテンションがあがってしまう。
『うん、気をつけてきてね。』
マホは優しく言った。
今日は付き合って半年の記念日だ。
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