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9章:第八章
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奈々は更衣室で
小さく丸まっていた
コートや膝かけを
何枚もかけられている
俺は奈々に駆け寄った
奈々の前に座り
肩を撫でる
奈々の頬には
涙が何筋も流れていた
奈々は俺に気づくと
「店長‥
ごめんなさい‥
急に目眩がして‥」
と呟いた
「何も喋らないでいいから
落ち着くまで寝てな
早めにミウだけ送迎するよ」
と伝え
俺は光輝に何があったのかを
聞きに行った
「待機中にずっと
ぐったりしてたの
眠たいのかなあと
思ってたんだけど‥
いきなり倒れ込んだから
慌てて更衣室に運んだの
疲れかな?」
と他の女の子が
説明してくれた
店が暇でキャストも少ないので
早閉めすることになり
俺は奈々とタクシーに乗った
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