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6章:第五章
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「お願いしまーす」
「はい」
「ウィスキーと
グラス2つお願いします」
「はい」
膝まずいて
注目を聞いていた俺は
さっと立ち上がり厨房に行き
お酒とグラスを持って
ホールに出た
一瞬立ち止まる
目の前の光景に
ため息をつく
愛しい奈々
俺の大好きな奈々
奈々は今、
ミウとして
シャネルで接客している
上半身をあらわにし
スーツのおっさんにもたれかかり
"ミウ"は微笑んで
何かを囁いている
奈々がシャネルに入って
二週間
俺は奈々の接客に
見慣れることはなかった
ホールに立つ以上
毎日毎日に奈々を見る
俺は既に奈々を
店にいれたことを後悔していた
「おまたせしました」
「ありがとうございます」
ミウが受けとったウィスキーを
グラスに注ぎ、
お客に差し出す
俺は卓に一礼して
リストに戻った
目の前で彼女が
知らない男に
胸をもまれている
これほどまでに
辛いとわ
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