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7章:エスケープ フロム…
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キャビネットには僕にとって大切な物もありました
万蔵とお揃いで買ったクロム・ハーツのリングです
僕がその二つのリングをそれぞれ左手の薬指と親指に付けると、カチリと全てが収まる様な気がするから不思議です
(ここからだ…僕のターンは…)
決意も新たに僕はマンションの部屋を出ます
警戒が厳重だったのは僕が居た部屋だけで、隣室のビロットの部屋から外へは簡単に出る事が出来る様でした
(それにしても自由に外の空気を吸うのは久し振りだな)
あのまま一生あの部屋に居た可能性もあったのかを考えると、ゾッとします
(あの相沢のアブノーマルな性格を考えると、それもあったかも…ああ、考えたくない…座敷牢だよ、まるで…)
それにしても
(よくもまぁ…僕を好きに弄(もてあそ)んでくれたもんだよ)
僕は唇を噛み、外界に通じるドアを開きました
風が頬にひんやりと心地好く、僕は一度目を閉じ、また開きます
(この借りは高くつくよ…相沢…)
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