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やがて少年か目を覚ました
あたりを見渡し、暫く覚醒に時間がかかっていた様だが、大男の死体を見て全ての記憶が甦ったのだろう
「ああ…」
喉の奥で悲痛な叫びを殺して俯いた
固く目を閉じ、暫しの間、嗚咽(おえつ)をこらえ、身体を震わせていた少年は、象牙細工の様なほっそりとした肉体を起こす
浴室に入り、シャワーの熱い湯と冷水とを交互に浴びた少年は、タオルで身体を拭くと、再び大男の死体に近付いた
大男の左の薬指に光るシルバーリング
クロム・ハーツのその指輪は少年がねだって大男に付けさせていた物だ
苦労して大男の指からそれを外すと、少年は左の親指にそれを付けた
少年の左の薬指には同じデザインのリングが光っている
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