23章:二人の関係 (3/6)

いつもの大阪での同業回りが終わり、わたしはホテルに戻るタクシーを拾った。

「じゃあ明日また新大阪で」

タクシーに乗り込みわたしが言うと、あの人は体を屈めてタクシーを除きこんだ。

「明日はホテルまで迎えに行くわ。もう一日付き合ってや。明日の夜には東京帰るし。」

相変わらず強引な人だ。

口調は優しいが、有無を言わさない。

「わかった」

「ゆっくり休みや。また連絡するわ。」

タクシーの運転手に、お願いしますと言ってあの人はドアを閉めた。

大阪の町は何度来ても、道が覚えられない。

ぼんやりと流れる景色を見ながら、わたしはタクシーの揺れに身を任せた。