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11章:数日前 或る月曜日
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病室であいつは呼吸器をつけられ寝ていた。
両足から腰まで固定されている。
そっと頬に触れる。
いつも体温の高いあいつが、少し冷たく感じた。
あいつの携帯には、確かに俺の連絡先と俺とのやり取りしかなかった。
警察の話だと、あいつは俺の家からタクシーで5分くらいのところで独り暮らしをしていたようだ。
あいつの携帯のラインを起動する。
俺からのメッセージは未読のまま。
俺は最後のメッセージを消去した。
見られてなくて良かった。
酔ってて覚えてないが『会いたい』なんて、俺らしくもない。
あいつのラインの友だちは俺だけ。
そんなことってありえるのか?
ますます分からない。
泣きそうになるのをこらえて、あいつの髪を撫でる。
お前は誰なんだ?
ゆうこと言う名前しか知らないことに気がつき、その名前が嘘じゃなかったことだけがせめてもの救いだった。
「ゆうちゃん、目覚ましてよ」
思わず声に出した。
あいつの家に行ってみよう。
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