3章:火曜日 (3/3)

『ゆうちゃん？』

電話を切った彼が後ろから抱きついてくる。

どうしようか。

今の電話について彼はきっと何も言わない。

わたしも何も聞けない。

わたしたちは、付き合おうって決めて一緒にいる訳じゃない。

だからわたしは彼女面するつもりもないし、彼氏だとも思ってない。

彼はわたしに好きだと言う。

わたしも彼に好きだと言う。

でも恋人同士ではない。

もう少し寝たふりしていよう。

そうすればもう少し抱き締めていてもらえるから。