10章:最終章 俺は母さんが嫌いだ。 (2/18)

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あー。公務員試験全滅。就職活動丸一年掛けて全滅。一都三県の警察と消防を受けまくり、交通費や宿泊費……ものすごい費用を親に出してもらったのに。


ぜ・ん・め・つ


さあて、ここからどんな風に動こうか……部屋で大の字になって考えていると、ドアが開いた。そして開けたドアに意味の無いノックをする母。


来たよ来たよ……就職のことネチネチくるのか？ 俺は身構えた。


「ねえ、明日お休みでしょ。父さんも今日は夜勤だし……二人で呑みに行かない？」


「は？」


「ほら、近くに海鮮が美味しそうな居酒屋が出来たじゃない。実はこの間、ひとりでロケハンしてきた。うん、日本酒の種類も豊富だし、なかなかGOOD。さあ、行くよ」


“行かない？ ” から“行く”に勝手に変えてるし。相変わらず強引だ。


だけど、俺もこれからのことを相談しなきゃならない……重い腰を上げた。