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3章:三、アル、オ年寄リト青年 ノ 物語
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そして何を思ったか……羊皮紙のメニューをカップボードに戻し、代わりに緑の小箱を眼の前に置いた。
「おひとつどうぞ」
ーー俺は……今日はじっくりと捜した。どのひとつを取るべきなのかと……そして、セツと思い重なる、和紙で包まれたクッキーを取り上げたんだ。
【あなたの優しさと、純粋な心はこれから輝きゆくーー〔Lokken Beach〕の卒業おめでとう】
「え? 卒業って……自分また来ますよ。ずっと来ます!」
SAKURAは……嬉しそうに眼を細めて告げる。
「正樹さん……あなたには、もうここは見つけられないの。ここは……“迷い疲れた方”限定よ」
「またぁ、そんな冗談を……」
笑いながら、ふと店の入り口に眼を移すと純也が扉脇のステンドグラス越しに覗いている。あのニヤニヤとした顔は、またきっと俺をからかうつもりなんだ。
正樹は今日こそは、好いようにやられないぞ――と、ムダにリキんだりするのだった。
ーアルオ年寄リト青年ノ物語 終ー
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アル、ジェンヌ ノ 物語 他三編 ©著者:七斗
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