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2章:閉鎖病棟での戦い
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その後は五人の看護師に手足を押さえ付けられ、変な個室に閉じ込められた。
抵抗しても無駄だった。
またしても手足、体幹の拘束。
私は拘束が大嫌いだ。
好きな人はいないだろうが、拘束は私にとって、この上ない恐怖で、理性や自我を全て奪うもの。
暴れても、叫んでも、泣いても、誰にも届かない。状況は何も変わらない。
それは私が常日頃感じている虚ろな現実を、思い切り突き付けられるという事と同じなのだ。
きっと私がこんなところで自分の考え、常識を語ろうが、常識を常識と思えない理由を叫んでも
現実は何も変わらない。
異端児として見られるだけ。
わかってはいたが、そんな漠然とした思いが、ここでは嫌という程突き付けられる。
それが耐え切れなかった。
だが、一番の問題は私は看護師を轢いた事には何も感じなかったという事なのだろう。
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閉鎖病棟にぶち込まれて ©著者:りな
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