5章:新生活 (20/21)

｢いやー、うまいな！胸焼けが楽しみだね！｣

｢胸焼けですか…楽しみではないですね｣

｢はは！そりゃそうだ！しかしね、飯島君がうちの会社来てくれて良かったよ、本当に｣

｢え、どうしてですか？｣

｢いや、部長がさ、最近は正社員が減ってパートのおばちゃんが増えてきたから、若い社員が入ってくれたらなーってボヤいてたのよ｣

｢へえ…だから面接の時も採用の方向で考えてるような感じだったんですね｣

｢あ、やっぱり？まあ元々うちの会社はユルユルだからさ、それに重ねて欲しい人材が来てくれたんだから、採用は間違いなしだったわけだ。いやー、腹いっぱいだ！ははは！｣

｢そうなんスねえ、まあ俺的にも早く落ち着きたかったんで良かったですよ。ところで、北川さんていくつなんスか？｣

｢え？俺？俺は25だよ！まだまだイケイケよ！はははは！｣

｢え！？ええ？あ、そうなんスか？はは…｣



北川は明らかに老けすぎだ

俺が驚きを隠せずに顔をひきつらせていると、北川が言った


｢よっしゃ！んじゃ、そろそろ行こうかね！｣

｢あ、はい。じゃあ出ますか、ごちそう様でした｣


俺は北川が水を飲み干すのと同時に席を立った