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3章:‐聖なる夜‐
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3章:‐聖なる夜‐
窓の外は雪がちらついていた。
とても寒い日だった。
「お兄ちゃん!」
積もり始めたばかりの雪を掻き集めて遊んでいる弟が僕を呼んだ。「風邪引くぞ」
「平気だよ〜!」
弟ははしゃいでいた。僕はそれをただぼんやり眺めていた。
時々、弟が憎かった。
もし僕が1人息子なら…
あの人はきっと僕だけを見ていてくれたかもしれない。
でも僕には、修一という弟が確かに存在していた。
変えようのない事実だった。
「涼チャンも遊んで来たら?」
あの人が僕に微笑みかけて言う。「寒いの嫌いだから…」
弟が冬休みに入ってからは、お昼ご飯もおやつの時間も③人になった…。
僕が1日のうちで一番大事にしていた時間がしばらくやって来ない。
それだけで憂鬱になる…。
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紅色の風船 ©著者:桃缶
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