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22章:8月10日
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22章:8月10日
ここ何日か健児さんは
ぼぉっとする事が増えた気がする。
あたしの声が聞こえていない事がある。
苦しそうな顔して独り言を言ってる。
それを見ているあたしに気が付くと
苦しそうな顔を
精一杯歪めて微笑んでくれるの。
『無理しなくて良いんだよ?
具合が悪かったら病院に行こう?』
あたしが言うと
『大丈夫。』そう言って
あたしを引き寄せて
安心するまで抱き締めてくれる。
タイムリミットが迫ってる
健児さんは
そんな風に思うみたいだけど
そんなの嘘だよ。
だって貴方は
確かにここで息をしていて
体に感じる体温は
あたしを溶かしそうな程熱い。
あたしを一人きりにして
どこかへ行くなんて信じられない。
あたしを置いていくなんて
健児さんは絶対にしない。
だってあたし達は
お互いがお互いを探していた筈でしょ?
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