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18章:17 (4/5)

そのまま手を引かれ
家の前の小川まで来た。


少し時期を遅れて
やって来たホタル達は
求愛の為に
一心不乱に光を放つ。


幻想的に
ゆらゆらと揺れる
ホタルの光は
星の瞬きに似ている。


小川の畔に座った健児に促され
健児の膝の上に座る。


白い月明かりに照らし出された
優はこれ以上なく
儚げに見えて
健児の心を奪っていく。


自分がホタルになれたら
迷いなく優の元に飛んでいき
死ぬその瞬間まで
光続けるだろう。
優への求愛の為だけに
光続け生涯を終えるなら本望だ。



優は
『ホタルを見るのは初めて。
初めてが健児さんとで嬉しいよ。』
と言った。
そして
何故この田舎に引っ越したのか。
友達や昔の恋人との
なんの価値も見いだせない淋しい関係。
ここへ来て
小さな幸せに気がつける様になったこと。
そんな話をとりとめもなく話した。


健児は
優の髪を撫でながら
その話を興味深く聞き
優の言葉に一喜一憂していた。


そして
『見知らぬ都会なら
貴女を見つけられなかったかもしれない。』と呟いて
優を抱き締めた。


ホタル達は
そんな二人を
淡く点滅する光で照らし
小川の畔に光の絨毯を作ってくれた。


健児は立ち上がり
また優の手を引いて
家の中へ戻って行った。


優はその手が
少しだけ強引で逞しく感じた。
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飛行機雲 ©著者:ましろ

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