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蚊帳の中に敷かれた
二枚の布団に寝転ぶ二人。
話す言葉を見つけられない。
辺りは夜の帳に包まれて
都会なら真っ暗な筈の夜も
この場所では
幾つもの瞬く星屑と
煌々と光る白い月明かりで
お互いの顔まではっきりと解る。
恥ずかしさから
優は健児に背を向けた。
健児はその背中に語りかける。
『優さん。
自分はずっと貴女を
探していた気がします。』
『いつまでここに居られるか解らない。
でも貴女に逢いに来た。
そんな事を考えてしまう。
自分は幸せを感じて良いのでしょうか
?』
『本来なら死んでいる筈なのに。』
健児の言葉に
返せる言葉が無かった。
背中を向けていた優は
くるりと健児の方へ向き
ただ手を繋いで
健児を言葉なく
見つめる事しか出来なかった。
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飛行機雲 ©著者:ましろ
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