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この選択が正しかったのか
間違っているのかなんて
健児には解らなかった。
ただこの戦争に勝たなければ
自分の愛する家族も
日本国民にも
多くの犠牲者が出るだろう。
それを守る為に
健児は空を飛んだ。
始めて見る景色の数々に心に奪われ
国の母に見せてやれたら
どんなにか幸せだろうと思うと
親より先に死ぬ事への後悔の涙が溢れた。
何時間もの飛行中
名誉の戦死を遂げる事に対し
肯定する気持ちと後悔と恐怖が
入り交じり
とても正気でいられなくなっていた。
目的地に近づいた頃
須藤少佐から
全飛行者に向けて無線が入った。
『君達はこれより
大日本帝国の為に名誉の戦死を遂げる。
何よりも誇り高き行為であり
それは国の家族を守る事にも繋がって行くことだろう。
私が先に逝くから
決して怯む事無く
その後に続いて欲しい!
それでは皆天国で逢おう。
日いずる国大日本帝国万歳!』
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飛行機雲 ©著者:ましろ
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