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4章:3 (3/3)

いよいよ引っ越し当日。
とても女性一人分とは思えない量の
荷物を積んで
トラックは出発していった。


優はがらんとした家の中を
一部屋一部屋回った。


一年毎に身長を刻んだ柱。
母に料理を教えて貰ったキッチン。
タオルに空気を入れて
父と遊んだバスルーム。
勉強は得意では無かったけど
居心地の良かった勉強部屋。
ベランダから見た夕日。
線香花火が綺麗に見えた庭。
節目毎に家族写真を撮った玄関。


愛しい家族と住んだ愛しい家だった。
楽しかった思い出ばかりが
浮かんでは消えていった。


涙をぐっと堪えて
『西原優!20年間お世話になりました!』と
大きな声で
愛しいわが家にお礼を言った。


そっと優しい風が吹いて
優の頬を撫でた。


これからの生活にエールを送ってくれた
そんな気にさせてくれるような
優しい優しい風だった。
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飛行機雲 ©著者:ましろ

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