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2章:家族ごっこ
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2章:家族ごっこ
いつの間にか新幹線に乗っていた
薔薇の花束はいつの間にかなくて
それがママがこの世から消えた様な気持ちがした
車内販売のオレンジジュースを加藤さんが頼んでくれてストローを差して
はいっと渡してくれた
「ありがと、パパ...」呟いたら
加藤さんが泣きそうな笑顔で
「ゴメンよ、エリ...」って言った
(この人の子供になったんだ。ママが私を売った様にこれからはこの人の子供になったんだ。)
そう思ったら撮影みたいに大人の指図通りニコニコ仮面になればいいんだ、そう決めた
いつの間にか寝てしまって、降りた駅がまるで初めて見る様な気持ちがした
帰宅して、祖父も祖母も不安な笑顔で「お帰りなさい」と玄関まで出て来た
祖父と加藤さんは祖父の書斎へと消えた...
祖母は「頂き物の美味しい栗饅頭があるの、一緒に食べましょうね。」
食べたくなんてない、でも
「ありがと、食べたいっ!」
また、嘘を吐いた...
リビングへ行ったらゆかりお姉さんがいた
「お疲れ様でした」笑みを浮かべていたけど
撮影を終えて何時も言った言葉に
ゆかりお姉さんが憎くなって
「やっぱり後にするね!」と言って自分の部屋へ逃げた................
パタン...
ドアが閉まる音
パタン...
本当の私になれる音
ワタシハウソツキデス
心の中で呟いた
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