11章:幸せ (5/5)

あれから何年も経ち、私はリュウよりもずっとハイレベルな彼氏を手に入れた。


散々世話になった人が、風俗嬢になってもずっと好きだった人。


風俗嬢だということを隠して、彼女になった。


自分の気持ちを自分の言葉で伝えることもせずに、サクラさんはシュウさんのものじゃないし私には罪はないと言い聞かせて、幸せを掴んだつもりでいた。


世の中は私が中心に回ってるの。


だって自分の人生、自分が主役にならなくちゃ。


「法律で裁かれなければ何をしてもいいのなら、それは人間じゃないよ。」


リュウの言葉を己に当てはめることもなく、私はこれからの生活に期待に胸弾ませていた。