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大「もしもし?」
携帯に出た大樹の顔は少し不安そうだった。
私の手を強く握った筈の手は簡単に離され携帯を握り締めている
大「え?なに…?ごめん、聞こえない周りがうるさくて…
え?今?祭りだけど…え?…
あ、ちょ……待てってユリ…!
今どこにいるの?うん…うん…」
ユリ……。
この後の展開がわかりすぎてバカバカしい。自傷的な笑が溢れる
この人はなんにも変わってない。
この人は結局……
携帯を切った大樹が気まずそうに私を見てきた
大「…あの、愛瑠……」
愛「……いいよ。」
大「え?」
愛「…行っていいよ。
待ってるんでしょ?ユリちゃん」
大「…でも」
愛「いいから!!…そういう迷ってる振りとかいらない。」
大「…愛瑠…」
愛「早く行って……行けばいい」
大「……。」
愛「…お願いだから…行って。」
大「………ごめん」
大樹は、あっという間に人混みの中に消えて見えなくなった。
取り残された私はクマのぬいぐるみを抱きしめた
泣くな…泣くな…
最初からわかってたじゃん…
ただ、期待する振りして、絶対にわかってたじゃん…
だって………
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last summer ©著者:天使
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