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8章:8. (11/11)




タ「だーー!!全然取れねーよ!
やめやめ!」



タクミが痺れを切らし叫んだ

さっきから黙り込むアサヒの方を見るとタクミは叫んだ



タ「うっわ!アサヒ……お前…」



アサヒの持つ入れ物には、溢れそうなくらい金魚が入っていた



タ「お前……天才か……」



勿論アサヒには金魚すくいのコツがプログラムされている



ア「…でも、持ち帰って直ぐに死んじゃうなら……」



アサヒはゆっくりと優しく金魚たちを水に戻した



タ「…金魚に対しても神なのか?
…お前は……」




その時、…リサの声が響いた




リ「ねぇちょっと…!!!!あれ…
大樹先輩だよね?…」


タ「お?愛瑠とラブラブしてるのか?」



タクミとアサヒは、リサの指さす方を見つめた




リ「…いや、ラブラブどころか…
一緒にいるのが愛瑠じゃない!!!!」



大樹の隣で、大樹に寄り添い歩いていたのは背の小さいショートヘアの女の子だった。

色黒の肌に黄色い浴衣が良く似合う、真ん中に大きな真っ赤な百合が強気に咲いていた。



リ「愛瑠は?!携帯……だめだ!
愛瑠、携帯忘れたって…」




ア「………………っ!!!」



アサヒは走り出した



タ「アサヒ!!」




後ろから二人の呼ぶ声が聞こえる
だけど、足は止まらない

ただ、走り出した
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last summer ©著者:天使

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