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9章:パディファッ通り
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9章:パディファッ通り
手早く身支度を済ませて鏡を見ると、打った鼻が青くなっていた。
痛いけど、折れてはないようだからいいか。
触らない方が良さそうだから化粧は止めよう。
リップクリームだけ塗って、夕食時のどさくさに紛れてホテルを出た。
バーに行くには早い時間だけど、パディファッ通りのいつもの店はオープンしている。
ボーイズを売るというより、ボーイズを席に付け、お客さんを飲ませて売り上げを伸ばすという店なので、日が落ちたらオープンなのだ。
客層も観光客より、常連の太っ腹ゲイ客が多い。勿論、ボーイズを連れ出す事も出来るがオプションサービスのような感じで連れ出し料は掛からない。
その代わりボーイズは連れ出しを拒否する権利がある。すべてボーイズ次第。
パッポンの売り物のプロがいるバーと違って地味なシステム。
店内は普通に明るく、派手な舞台もなければショーもない。ボーイズも私服で出勤し、
客から呼ばれない限り、客の席に付かずパイプ椅子に並んで座っているだけ。
ボーイズからの買って買ってアピールも有りません。
裸も拝めないので、ボーイズの顔と雰囲気だけで選びます。
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