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21章:池袋の夜光戦士
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21章:池袋の夜光戦士
“ライチ”
はじめまして
夜の仕事を始めてもうすぐ二年が経ちます。
あの日からもう二年が経つのか…
三年前の冬に美雪と出会いました。
美雪はどことなく儚げな雰囲気を持っている子でした。
俺たちは惹かれ合うように出会い、そして恋に落ちました。
それはとても自然な、遥か遠い昔から二人がその日に出会うことは運命だったかのような…そんな感じでした。
付き合い始めて3ヶ月が過ぎた頃、二人は江古田の小さなアパートで暮らし始めました。
当時俺はバンドを組んでいて、定職には就かずしがないフリーターをしながら夢を追いかけてました。
学生の美雪と貧しいながらも幸せな生活を送っていました。
小さな窓から西日が差し込む夕暮れ時…こんな時間が永遠に続けばと願っていました。
月日は流れ次の年の冬、俺たちのバンドはメジャーデビューがほぼ決まりかけるところまで駆け上がってきました。
東京では珍しく雪の降ったあの日、俺と美雪は池袋で待ち合わせをしました。
待ち合わせの時間が過ぎても美雪はまだ来ない。
心配になって携帯に電話をしても繋がらない。
今までそんなことは一度も無かったから、何かよくないことでも起こったのかと、悪い胸騒ぎが一瞬脳裏をよぎりました。
どれくらい待ち続けただろう…
携帯に見知らぬ番号からの電話が掛かってきました。
二時間前に美雪が交通事故に巻き込まれ亡くなったという連絡が…
突然の出来事で頭の中が真っ白になり、事態を把握するのに時間がかかりました。
俺は叫び続けた
地面に頭を打ち続けて血まみれになりながら叫び続けた
いつまでも泣き叫び続けた…
気が付いたら警察署に保護されていました。
少しは落ち着きを取り戻し、警察官に病院まで送ってもらった頃には23時を過ぎていました。
霊安室で対面した美雪は、ただ眠っているかのようなとても安らかな顔をしていました。
昨日の夜と同じく、ただ…眠っているようでした。
違うのは、美雪はもう二度と目覚めないという現実…
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夜光戦士の詩 ©著者:南月☆Dieち
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