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20章:彼、そのものが
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20章:彼、そのものが
「一番悪いのは、
もちろん男だと思うよ。
それで、
そんなやつのせいで、
大事な友達との
縁が切れてしまうのは、
本当に腹が立つんだ。
だから、
その娘と君が、
ここで終わりだなんて思うことはないよ。
今はつらいかもしれないけど、
どんなことだっていつか、
必ず許せる」
佐田はまっすぐに祐美を見つめて言った。
どうして今まで気付かなかったのだろう。
彼は、
とてもきれいだ。
「今は、それでいい。
一番頼れた存在がいなくても、
誰かにたくさん甘えて癒せばいいさ。
必ず誰かはいてくれるよ」
ひざを抱えるようにうなだれて、
祐美はまた泣いてしまった。
丸めた背中が
温かかったのは、
佐田の手が
触れていたからかもしれない。
その手は、
小さい子を寝かしつけるように、
優しい大きな手だった。
.
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