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8章:アンナの、恋 (1/10)

8章:アンナの、恋


その日の夜は朝まで続いた。
パラパラが大好きなお客さんで、アフター先はサパーだった。

オジサンというよりも、
もうおじいちゃんと呼んでもいいような人なのに、

今どきにパラパラを踊るとは、
しかもそれがいくら金曜の夜だからといって朝まで続くとはとは恐ろしく元気だ。

シャンパンもたくさん飲んだし、ワインも飲んだ。

祐美はパラパラなんて知らなかったけれど、酔いに任せて一生懸命適当に踊って、盛り上げて、身体も心も疲れきった。


そんな感じで家に着いたのは朝の八時を過ぎていた。

ベッドに入ったのはきっと九時くらいだろう。

ああ、早く起きてできればお買い物に行きたい、そう思いながら眠ったと思う。

プルルー ブー 
プルルー ブー


何か夢を見ていたと思うが、
携帯の着信音とバイブはそれを忘れるほど
現実の世界ではっきり響いて、
祐美は驚いて目が覚めた。

カーテンの隙間から日が当たって眩しい。

見ると、着信はアンナからだった。

驚いて目が覚めたことに一瞬腹が立ち、
無視して寝てしまおうかとも思ったが、
あまりに音がうるさいし、アンナにも悪いと思ったから出た。


「…ハイ」
かすれたひどい声が出た。



「もしもし、ゆみ」


目がはっきり覚めた。


アンナの声は震えていて、
鼻をすすっていて、
つまり泣いていた。
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あなたへ −なまえのないもの− ©著者:いろは

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